境界性人格障害は人から理解されない
人は誰でも人間関係に悩みをもち、自分の事を理解されたいと思っています。
一般的に人の信頼関係は、相手を理解し信頼することで築くものであり、自分も理解されて信頼される人間でありたいと努力するものです。
境界性人格障害であっても、自分を理解してほしいと思うのは同じです。
しかし、境界性人格障害の人が起こす問題行動で、周囲には理解しがたい状況を作ってしまうのです。
「理解してくれない」相手が悪い!
境界性人格障害の人は日常生活を送れないほどの精神症状ではないものの、その問題行動や人を巻きこむことから、周囲の人は迷惑して離れていきます。
見捨てられ不安が極端に強い症状は、いわば生まれたての赤ちゃんが姿の見えないお母さんを探して泣き叫ぶのに似ています。
愛して構ってほしいのにパートナーは理解してくれない、お乳が欲しくて泣いているのにお母さんは気付いてくれない、自分に振り向いてくれない孤独感や不安感、怒りや虚しさ、絶望感は大人になってパートナーと暮らしていても変わることなく、常に心の奥底にあり続けるのです。
これが、理解してほしいのに理解してもらえないから、理解できないような言動を繰り返して、相手が理解出来ない事が悪いのであり、自分は悪くないという理論になるのです。
理解してくれないパートナーは不能であり、攻撃する対象(ターゲット)になっていきます。
理解出来ない行動を取る境界性人格障害の人に、理解を示さない人はすべて「悪い人」になるので、周囲は扱いに苦慮しできるだけ距離を取るようになっていきます。
境界性人格障害の人は良い人100%の完璧を目指す
人は誰でも良い面と悪い面を持ち合わせています。
どちらか100%の人など有りえませんし、100%完全に良い人、100%悪人など無いのですが、境界性人格障害の人は自分に良い人と悪い人の存在を認められず、悪い面を出さないように完璧な良い人だけで生きる努力をします。
良い人というのは、相手から良い人と思われることです。
自分が何者であるのかわからない境界性人格障害は、相手から良い人と見られることで自分の存在を意識します。
完璧に良い人などいないので、出来ない自分を認めることが出来ず、相手のせいにします。
パートナーのせいで自分が悪く言われた、子供が悪いから変な人だと思われたと、自分は良い人で相手は悪い人とすることで、自分は良い人という評価を得ているのです。(と思っているのです。)
良い人は相手によって悪い人にもなり、悪い人でも受け取る人によっては良い人になります。
相手を100%理解できる人など何処にもいません。
理解できないのが当たり前のことと考えれば、責める必要もないのですが、境界性人格障害の人にとって、理解されないことは否定され拒否されていると受け取ってしまうことから、周囲を巻きこんで混乱を引き起こします。
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