境界性人格障害と暴力
境界性人格障害の人は、見捨てられ不安が強い為に人間関係の“ほどほど”が分かりません。
好きか嫌いかの2つしかない為、共感してくれる人にはとことん依存します。
相手が話を聞いて優しくしてくれたら良い人で、その人が側から消えないようにどんな手段でも取ります。
しかし、その人が少しでも否定する意見や反対の話をすると、拒否されたと思い込み悪い人となり、一瞬で攻撃の対象に変わります。
その激しい変化に振り回されることから、周囲には人が居なくなってしまいます。
夫・パートナーへの暴力
境界性人格障害の女性の症状や状態を理解して、支えていこうと決心した夫やパートナーは大変な忍耐を必要とします。
普通に会話も出来て治療や服薬で落ち着いていても、いつ何がきっかけで激しく爆発するか理解できない行動に、疲労困憊の状態になってしまいます。
妻の怒りの矛先は、一緒に暮らす夫やパートナーに向けられ、女性であっても正気でない人の力は強烈です。
暴言と罵り、暴力、破壊行動を受ける側も怒りや混乱を起こし動揺します。
妻の形相を見ると普通では無い、暴力は夫に向けられているけれども内面では、過去の自分や家族に対しての怒りや嫌悪なのです。
嵐の感情をむき出しにしている時に何を言っても、なだめすかしても頑なになってしまいます。
嵐が去り落ち着いたときに「苦しかったねー、さて一緒に片付けようか?」のように、妻の行動を責めるのではなく、気付かせてあげるように受け止める対応が必要です。
暴力を受けてしまう側の対応
境界性人格障害の妻に寄り添って一緒に治療していく覚悟は出来ていたものの、目の前で自傷行為をしたり豹変する姿を目にすれば、支える側も自分の無力感や自己嫌悪、妻への怒りに囚われてしまいます。
支える側の感情のコントロールも必要とするので、長い時間を掛けてゆっくりと付き合って行くようにしましょう。
夫や家族も冷静になる時間が必要な時は、良き相談者を見つけて混乱した感情を消化しましょう。
長い戦いでも、必ず回復を迎える時が来ます。
昨日出来なかったことが、今日は一つ出来たね。
怒りが起こる間隔が長くなったね。
物を壊さなかったね。
1歩1歩が大切な時間になっていきます。
夫やパートナーの対応の仕方が、境界性人格障害の妻の回復を左右するのです。
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