男性の境界性人格障害の症状
境界性人格障害の多くは女性で、患者の約8割にあたると言われています。
女性ホルモンの影響による気分変動が起こりやすいことも一因と考えられますが、男性もいない訳ではありません。
「女性」と「男性」の症状の違い
女性も男性も境界性人格障害の要因は、遺伝的要因と幼少期の家庭環境や親子関係にあるのは同様です。
しかし、症状が少し異なります。
女性の場合は、家族や恋人、友人への依存が強くなって人間関係を壊していきます。
男性の場合は、自分以外の人に対して威圧的、高圧的な態度を取ったり、社会ルールを守れず、反社会的な行動で周りに迷惑を掛けることがあります。
境界性人格障害と似ていますが、自己愛性人格障害、反社会性人格障害になりやすいのが男性との意見もあります。
「男性」の症状
幼少期から思春期までの母親との関係はその後のパーソナリティー形成に大きく関わっています。
母親が両極端(@同一化状態、A育児放棄)の場合に、思春期での自立に問題が生じます。
@同一化状態
息子のすべてが自分のものである母親には、息子しか目に入りません。
その時期、息子が母をおかしいとか、嫌悪感を抱けば自立は成功しますが、 母を悲しませたくない気持ちから両依存、同一化することも少なくありません。
思春期に親族で性的関係を強いられたり、近親相姦の関係に陥りやすい親子関係は自己破壊的症状となり、本人も家族も将来を悲観する結果になりかねません。
A育児放棄
育児放棄により、親の愛情を感じることなく暴力や虐待を受けても、子供は母親に好かれたい一心で、苦しさや痛さや哀しみを外に出さずに、一方的に母親を恋しく思います。
しかし、親は息子の気持ちを知ろうとしないので変わりません。
子供は失望を憎しみに変え、精神的な痛みを怒りに変えることで昇華しようとします。
その怒りは時に他者を暴力で傷つけ、威圧的に押さえます。
気付くと我に返り後悔し、恋人や周りの人に異常に優しくするという繰り返しは、感情のコントロールを狂わしていきます。
「自己愛性障害」は悪化していく
境界性人格障害は思春期に表面化していき、年齢が進んでいくにしたがって落ち着いてくるのが一般的です。
しかし、男性に多く境界性人格障害と似かよっている「自己愛性障害」は、年齢が高くなっても症状は悪くなる一方です。
家族や友人、周囲の人々がまわりから居なくなってしまい、一人孤独になってしまいます。
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