境界性人格障害と自己愛
「境界性人格障害」は最近増えていると言われますが、同じように増加傾向にある人格障害に「自己愛性人格障害」があります。
自分に過剰な自信を持ち、自分が一番で他者に対して傲慢な態度で見下します。
自分の理想を実現するためには、他者の傷みなど関係なく非共感性が特徴です。
自己愛の強いタイプは、自己否定の強い境界性人格障害の真逆タイプと思われますが、理想的な自分にこだわり完璧主義を通す点では似ているところもあるのです。
境界性人格障害に見られる「自己愛」
境界性人格障害の人は、神経症と精神病の境界線で揺れ動いていることから「ボーダー」と呼ばれ「ボダ」と略して言われることも有ります。
略語で言われる時のほとんどは、境界性人格障害の人のターゲットになってしまい、何らかの被害を受けた人が「ボダには注意しろ!」のように、使う言葉になっています。
ボーダーは、自己否定や自己嫌悪の結果リストカットなどの自傷行為に及ぶことが有るのですから、自己愛は関係ないと思われがちです。
しかし、自分の思った通りに事が進まないと逆切れして激しい行動に出ることこそ、自己顕示の強さであり、自己愛から発生しているのです。
ボーダーは、自分の辛さや苦しさに耳を傾けて共感してくれる人を見つけると急激に依存していきます。
容姿端麗な美人の女性が多いことから、甘えてくる女性を可愛いと思い守ってあげたいと一生懸命になる彼氏は、すでにボーダーに取り込まれています。
ボーダーの女性は自己愛が膨れ上がった状態であり、このようなカップルは少なからずお互いに依存しあう「共依存」になっていきます。
彼氏の都合よりも自分の欲求の方が大切であることから、感情が満たされないと彼氏の前でも自傷行為や自殺企画をするので、
彼氏は「自分がいないと彼女は死んでしまう」という恐怖心から、離れられなくなります。
いわば彼女の思うツボなのです。
境界性人格障害の人が苦手とする「自己愛型」
ボーダーは、見捨てられることが不安で他者にしがみついて依存します。
しかし、依存する相手が誰でもいいわけではありません。
自己愛型の強い人は苦手なタイプになります。
自己愛型の人は、ボーダーが依存して自分の気持ちを分かってほしいと思っても、リストカットしても「勝手にすれば、オレは関係ないから」と意に介しません。
他人に対して共感せず、自分一番の自己愛型の人は、ボーダーの辛さや苦しみや痛みにも共感や受け入れをしません。
逆に「そんなお前を彼女にしている、俺ってスゴイだろ!感謝しろ!」となり、彼女が激怒して暴言を吐いても自傷行為をしても、我関せず放って出て行きます。
自己愛の強い人と境界性人格障害のカップルはほぼ成立せずに、破滅的な結果になりかねません。
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