子供の境界性人格障害の症状
境界性人格障害の要因の一端に幼少期の親子関係が指摘されています。
主に母親との関係です。
子供は自分のものであり、すべてを世話しなければ生きられない愛すべき対象であるとの考えから抜け出せない母親が、自立の時期を過ぎた子供にもその関係性を強いることで「歪んだ親子関係」が形成されていきます。
「見捨てられ不安」と思春期
子供は「自立」と「依存」を抱えながら成長していきます。
何でも親の手を必要とする乳児期から、2歳ぐらいまでには、自分で出来る事も増えて「自立」が芽生えます。
食事や着替え、排泄など自分でも出来る事が増えてきます。
子供は自分と親は違うものだとわかるようになり「分離」して「自立」していきます。
精神的に不安定であったり、過剰に手を掛けて「何も出来ないんだから」「また汚した」「この洋服にしなさい」など、自分好みの子供に仕立てると、子供は自立の時期を逃し「分離不安」になってしまいます。
逆に面倒を見ることを放棄して、何も出来ない愚図だ、のろま、汚い、馬鹿などと罵倒して愛情を注がれず、見向きされないと「安心感」が得られずに、「見捨てられ不安」が生じて自立出来ず、母親の近くから離れられなくなります。
親の過度な期待や押しつけ、虐待も幼児の精神的な成長に大きな歪みを引き起こします。
母親の愛情を得る為に、自分で考えることを放棄して表に出さず押さえつけて過ごします。
子供の成長期に、反抗することなく思春期を迎えると、人との距離感が掴めずに、大声で憤怒したり暴れるという方法で自分を表現するようになってしまいます。
学校で暴れても、自宅では親の言う通りの良い子になるので、子供が歪んでいる事がわからないのが実情です。
「子供」の複雑な感情はわからない
「子供の頃は良い子だった」という言葉が、境界性人格障害を発症するとよく聞かれます。
これは、子供の時に良い子にしていなければいけなかったからであり、反抗する時期を逃したことにあります。
子供の症状は、急に激しい怒りで叫んだり、物を投げつけたり、壊したり、人を殴ったりといった言葉と行動になります。
症状は短時間の怒りからの発生ですから、しばらくすると治まりますが、「人に嫌われたくない」「見捨てられたくない」「誰も分かってくれない」などの感情が怒りの発端になっているので、治まると自己嫌悪に陥って、不安定になってしまいます。
複雑に絡まる感情を自分でも理解できず、混乱して泣き叫ぶこともあります。
子供の時の怒りの対象は、ほとんどが家族や親しい友人で、突然に態度が変わってしまうのです。
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