境界性人格障害には種類・タイプはあるのか
「人格障害(パーソナリティ障害)」は、「境界性人格障害」の他にもいくつかのタイプに分けられ、アメリカ精神医学会の診断基準で10種類、世界保健機構で8種類に分けられています。
「境界性人格障害」は人格障害の1つなのです。
「境界性人格障害」はその人の愛着スタイルによって、2種類のタイプに分けることが出来ます。
人格障害(パーソナリティ障害)の種類と特徴
人格障害というと、厄介で面倒くさい人達で、出来れば関わりたくない人種だと偏見を持つ人も多くいます。
確かに風変わりな思考を持っていたり、人間関係や社会性に溶け込めない人もいますが、多くの場合は治療することによって改善し、良好な人間関係を築ける人も多いのです。
アメリカの精神医学会の診断基準から、どのような分類がされるのか見てみましょう。
パーソナリティ障害 A群・・・奇妙で風変わりなタイプ
- 妄想性人格障害(不信感や猜疑心が広範)
- 統合失調質人格障害(非社交的、他者への関心が薄い)
- 統合失調型人格障害(会話が風変わり、感情の幅が狭く適切さに欠けることが多い)
パーソナリティ障害 B群・・・激しい感情や言動で周囲に大きな影響を与えるタイプ
- 境界性人格障害(感情や対人関係が不安定、衝動的行為)
- 自己愛性人格障害(傲慢・尊大な態度、自己評価にこだわる)
- 反、非社会性人格障害(反社会的、衝動的、向こう見ずな行動)
- 演技性人格障害(他社の注目を集めたい派手な外見や演技的行動)
パーソナリティ障害 C群・・・不安が強いタイプ
- 依存性人格障害(他社への過度の依存、孤独に耐えられない)
- 強迫性人格障害(融通がきかず一定の秩序に固執する)
- 回避性(不安性)人格障害(不安や緊張を生じやすい)
これらの分類は、各1症状のみが発症するばかりでは無く、2、3種類のタイプを同時に持つ場合も少なくありません。
境界性人格障害は2つに分けられる
境界性人格障害の人の愛着スタイルを調べた研究で、2種類に分けられると言います。
@「とらわれ型(不安型)」
境界性人格障害の75%が幼い頃の親に対する否定的感情を引きずっており、見捨てられ不安が強いのに、その人に批判的になりやすい傾向があります。
A「未解決型(混乱型)」
境界性人格障害の89%に見られ、過去の心のキズを引きずっていて、思いだすと不安定になります。
親との離別や見捨てられ、虐待など心が深く傷ついた体験を持ち、子供の混乱型と同様です。
「とらわれ型」と「未解決型」両方を合わせ持つ人は、ほぼ全員が境界性人格障害の診断基準に該当します。
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