境界性人格障害とPTSD(心的外傷後ストレス障害)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)との関係
境界性人格障害の人と心的外傷後ストレス障害の症状はとても似ているところがあるとされています。さらに、境界性人格障害を持つ人の約1/3の患者さんがPTSDの診断基準を満たすとされています。
境界性人格障害の人がPTSDになる原因としては、虐待による被害が多いとされています。暴力による虐待、心理的=見捨てられ虐待、性的虐待、ネグレクトなどがあげられます。このような虐待の経験が感情のコントロールを難しくしたり、過敏になったり、リストカットなどの自傷行為、解離症状などを引き起こすことが多くなります。
しかし、このような過去を持っていても、患者さんの半数以上がこの経験を話していないというのです。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)と違うところ
境界性人格障害の人とPTSDの共通点は、過去のトラウマからくるものですが、一般的に知られているフラッシュバックなどの症状がないことが多いのです。さらに、過剰な警戒心や刺激への過敏反応もないのも違いです。
PTSDの解離性症状は、トラウマに関連したことが起きるとこのような症状が現れ、防御反応とされているのですが、境界性人格障害の人の解離障害は、ストレスがかかると起きることが多いのです。
患者さんの現在の症状の把握と過去の出来事などを結びつけることで原因を特定でき、治療を進めることができるのですが、過去のことを話さないことが多いので、難しいとされています。周りに話していることも少ないので、事実を掴むのは容易ではありません。
もちろん家族から話をきくとことはできないでしょう。家族の方から虐待を受けていたことが多いので、虐待していた事実を話すことはまずないでしょうから。
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