境界性人格障害とヒステリー
「ヒステリー」と言うと、女性がイライラしてキンキン大声を張り上げて怒る姿を想像しますが、実際には男性でもヒステリーは起こる神経症の一種です。
境界性人格障害の症状に、急に激高して罵倒したり、怒り狂ったような症状がありますが、よく似ています。
ヒステリー性格は人格障害のクラスターBに推移し、このクラスターBに境界性人格障害は区分けされています。
ヒステリー性格の特徴と境界性人格障害の類似性
ヒステリー性格の特徴として、情緒不安定、衝動的な攻撃性、幼稚な依存性、強い自己顕示、補油面的な虚言(ウソ)などがあります。
これらの特徴は、境界性人格障害の特徴に重なるもので、感情や気分の波が大きく、自分を認める相手には依存的で、反論したり認めない人には攻撃的になる対人評価は境界性人格障害そのものです。
自己顕示や虚栄心の強さは、実際の自分よりももっと自分は優れていると見せる為の行為や虚言になって現れます。
自分や親族や関係者が、他の人よりもいかに優れて恵まれているかを実際よりも大袈裟に吹聴するのは、自己愛性人格障害の特徴でもありますが、原型はヒステリー性格にあります。
境界性人格障害とヒステリーの共通点
人格障害のクラスターBに属する境界性、自己愛性、演技性などの特徴として自己中心的で他人を思うようにコントロールして迷惑を掛ける点があげられますが、内面的には、「深く理解しあえる人間関係、継続的に安定した人間関係が作れない」悩みを常に抱えています。
他者の苦痛や不快感、立場を無視して、自分の満足や引き立て役として利用する強引な自己顕示欲が、自己愛の過剰で引き起こされるのがヒステリーです。
周囲はとんでもなく迷惑を被るわけです。
自分への注目や関心を常に維持していたい為に、大袈裟な感情表現や自慢話を無意識にして、実際よりも魅力的であるとアピールしたいのが、ヒステリー性格です。
このような行動をしないと自分に注目を集めることが出来ない、劣等コンプレックスの裏返しなのです。
幼稚で見捨てられることに強い不安があり、好意を持つ人に依存し、自分の思い通りに相手をコントロールし、常に自分に意識を向けさせたい、境界性人格障害とヒステリーの精神的思考、行動はとても共通点が多いといえます。
スポンサーリンク