境界性人格障害は治らない病気と言われることもあるが、、、
神経症と精神病の境界を意味することから「境界性人格障害」と言われますが、一過性の精神病的な被害妄想や幻聴によって激しく興奮したり、全く興味を示さず無言・無反応の状態、解離症状が合併することもあります。
BPD(Borderline Personality Disorder)と略され、ボーダーと呼ぶことがあります。
BPDは人格障害だから、良くはなっても治ることは無い?
パーソナリティ(人格)という言葉から「境界性人格障害」は、生まれ持った性格や人格の障害で治らないと言われていますが、
決して治らない病気では無く治療が可能な病気なのです。
幼少期の虐待(性的虐待が多く見られる)や親の過干渉などが原因となって、思春期頃から自分の感情や行動、対人関係のバランスを保つ事が出来なくなり不安定になっていきます。
仕事のちょっとした事で激しい怒りから罵倒し嫌悪をむき出しにします。
自分の感情をコントロールできずに何度となく衝動的な自傷行為を繰り返します。
激しい感情や不安定さがあっても、支える家族やパートナーが寄り添って治療を続ける事で治った人がいます。
治療することで回復が良好な場合と手間取る要因
境界性人格障害は専門病院の診断と適切な治療が必要になります。
また、患者自身が良くなりたいと思わなければ積極的な治療は出来ません。
患者に寄り添う家族やパートナーの協力は不可欠です。
仕事先の協力と見守りも力になります。
良好な回復の為には
- 患者自身が助けを求める積極的な治療意欲がある
- 自分を客観的に見つめて言葉に表現する(話す、書くなど)ことが出来る
- 回復への協力者がいる(家族や配偶者など)
治療が手間取る要因
- 解離性障害を合併していたり薬物依存などがある
- 前頭葉の機能低下によって認知機能の低下がある
- 抑うつ状態が長期間続いている気分変調症がある
- 周りに誰もいなくなって支えてくれる人がいない
境界性人格障害で苦しんできた不安定な時期を乗り越えれば、回復できるのです。
9割の人が回復する
激しい感情と自傷行為を繰り返し、周りの人も自分も十分傷ついてきました。
病院の治療と支えによって乗り越えた境界性人格障害の患者は、治療開始から6年後には9割が回復したと言われます。
しかし、残念ながら残り1割の人は自殺によって亡くなっています。
回復した患者にも家族にも、過去の心身の傷痕は残っています。
それでも、過去があっての今の自分であると認めることでより魅力的な人になっていくのです。
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