境界性人格障害の寛解とは
目に見える病の場合は、完治とか治癒したと表現されますが、精神疾患や再発する恐れのある癌などは、一定の基準値をクリアして症状がみられなくなったら「寛解」と言う言葉で治ったことを意味します。
境界性人格障害の場合にも、完治すると言われていますが、この「完治」はBPDの診断基準を外れたことで治ったとしているのです。
目で見てわかるものでは無く、また血液検査のように数値で見るものでは無いので、「寛解」という表現の方が的確になります。
境界性人格障害は自然経過で寛解する?
境界性人格障害は、自傷行為や自殺未遂などによって病院に運ばれることも多くあり、その段階で境界性人格障害を指摘されることがあります。
自傷行為や自殺未遂は、重篤なうつ病でも起こす人がいますが、人格障害の顔つきの変化や言動の激しさは無いので、区別がつきます。
思春期頃に発症する境界性人格障害は、未熟なまま社会に放り出された状態で、周囲を振りまわしながら人間関係や社会で苦しみながら成長していきます。
スムーズに社会性を取得していけば、自然と寛解に向かって行きます。
その時に必要になるのが、良いパートナーに恵まれる事と、病態を理解した仕事に巡り合えること、そして自分から良くなりたいと思う気持ちです。
家族関係、人間関係と寛解
境界性人格障害の治療には、家族やパートナーの理解と協力が不可欠です。
周囲の支えが必要であることは、その人達と良好な人間関係を築けなければいけません。
よき理解者であるパートナーと結婚して社会的にも認められることや、自己愛性の強いパートナーから受けていた悪影響を断ち切るなど、よりよい環境を得ることは治療していくうえで、とても大切なことです。
幼い頃からの親子関係が、特に母親との共依存になっている場合は、母親自身にも人格障害の可能性があります。
家族関係の再構築、家族を含めた治療を進めることで、心は安定して寛解を早めることができます。
境界性人格障害の治療、寛解には、安心して寄り添うことの出来る人間関係や家族の存在が不可欠なのです。
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