境界性人格障害と結婚願望
「境界性人格障害」の患者は若い女性が80%を占めると言います。
家族への依存から、友人、恋人への依存と変化していき、共感し気持ちを受け入れてくれる人への依存は強まっていきます。
心身ともに依存する結婚願望
患者である女性は「見捨てられることへの恐怖」を常に抱えています。
守ってあげたい儚げに見える女性を好きになった男性は、彼女から常に一緒にいて自分を受け入れ事を要求されます。
気に入らない事があると激高する女性に、「悪かった、大丈夫だよ、一緒にいるからね」などと男性がなだめると落ち着き、優しい顔を見せてくれます。
この男性なら私を捨てないと考えるようになった女性は、結婚を考え始めます。
結婚を妄想する彼女に、男性が意見を口にすると一変しリストカットや自殺をほのめかし、つなぎとめようとします。
障害を理解して恋人になっても、結婚までは考えていなかった男性は困惑します。
女性の男性への依存は、強まっていき心だけでなく、性的依存も強くなっていきます。
恥じらいもなく求めて、精神的にも肉体的にもつなぎとめようとします。
結婚願望は妄想として膨らんでいき、男性はこの状態がいつまで続くのかと疲労し不安と恐怖を抱えるようになってしまいます。
治療と生活
結婚願望を持つことは決して悪いことではありません。
誰でも、結婚したい、伴侶が欲しいと望みます。
これは二人で共に築く「幸せな生活」であって、一方が依存し依存される関係では成り立ちません。
彼女に対して捨てきれない感情があるのであれば、一緒に治療し症状の回復を目指すことも出来ます。
患者である彼女自身が自分の状態を認識しなければ、結婚生活は破たんし共倒れになります。
精神的に彼女に巻き込まれ、男性自らが精神をやられてしまいます。
そうなると彼女は、男性を「役立たずの要らない人」と認識し始め症状も悪化することになります。
中途半端に関わるならば、最初から関わらない事が大切です。
結婚願望と性依存
事実と感情の一致が見られない患者は、自分が良く分からず安心できて不安にならない人や物に執着し、満たされることで自分の価値を認識することがあります。
精神的な幸せは、男性への一方的な感情の押し付けになっていても、それが分かりません。
手っ取り早く、幸せと満足感と快楽を得る為に性行為に嵌り込んでいくことも多いのです。
性行為は恋人だけでなく、受け入れてくれれば誰でも良いと考えていますから、厄介です。
結婚願望と性依存とは別物で、結婚することで満足して性依存が消滅する人もいれば、結婚しても他者との性的関わりを断ち切れない人もいます。
そのような関係で結婚生活が出来るか、夫婦として暮らすことができるかはオーバーに言えば「命がけの決断」になります。
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