DSM-5による境界性人格障害の診断基準
DMS-5はアメリカ精神医学会(APA)が作成している精神障害の判断基準が定められています。
最初に作成されたのが1952年。
現在の世界各国の精神障害の判断基準として広がっています。
2013年にDMS-5が出版されてから、精神障害の総合的に診断ができるように5つの部類から診断できるようになり、境界性人格障害はその中の第II軸に表記されているのです。
DMS-5の診断基準とは
DMS-5の境界性人格障害の診断基準について見ていきましょう。
境界性人格診断基準
- 実際のまたは想像上の見捨てられる体験を避けようとする懸命の努力。但し、5.の自殺、自傷行為を含めないこと。
- 過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く特徴をもつ不安定で激しい対人関係の様式。
- 同一性障害:著明で持続的な自己像や自己感覚の不安定さ。
- 衝動性によって自己を傷つける可能性のある領域の少なくとも2つにわたるもの。例えば、浪費、セックス、薬物常用、万引、無謀な運転、過食。但し、5.に示される自殺行為や自傷行為を含まない。
- 自殺の脅かし、そぶり、行動、または自傷行為の繰り返し。
- 著明な感情的反応性による感情的な不安定さ (例えば、一過性の強烈な気分変調性障害、焦燥感や不安、通常2-3時間続くが、2-3日以上続くことは稀)
- 慢性的な空虚感、退屈。
- 不適切で激しい怒り、または怒りの制御ができないこと (例えば、しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、喧嘩を繰り返す)。
- 一過性の,ストレスに関連した妄想的念慮,もしくは重症の解離症状。
診断基準から見えてきたもの
境界性人格障害はコミュニケーション能力・日常生活の自立度・セルフケア・対人関係のスキル・家族との関係・学校や職場での活動・社会参加の7つの行動からどの行動に症状が出ているのか5段階で診断します。
単なるストレスからくる反応ではなくどの行動から、抑うつ状態・怒り・躁状態・不安・身体症状など心と体の不調とそこから芽生える脅迫障害、人格障害、睡眠障害などの病床的判断がとても診断するの中で重要視されています。
よって、境界性人格障害は精神症と神経症の二つの部類が合わさる病気なのだと認識してい背景がここにあります。
※参考資料:医療法人 秀明会 杉浦こころのクリニック
「パーソナリティ障害(境界性/自己愛性)について(その2)」
http://sugiura-kokoro.com/treat/syoujyou16-2.html
参考資料:境界性パーソナリティ障害 診断基準(DSM-IV-TR) (アメリカ精神医学会提供)
http://sesshoku.org/pdf/personality.pdf
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