境界性人格障害による子供への影響
境界性人格障害の親に育てられた子供は、親の精神症状の不安定さや感情の揺れに大きく影響され、子供の心は強烈な打撃を受けます。
感情の揺れに翻弄されて、親の行動に振り回されて、自分の存在することへの罪悪感を刷り込んでいきます。
親は子供との距離感が分からずに、愛情を与えるとか子供に愛しいという気持ちを持つことが理解出来ず、子供をただ育てるのです。
境界性人格障害が起こす子供への影響
境界性人格障害は発症から数年で回復していくといいますが、その前に出産した場合、境界性人格障害の不安定なまま子育てをすることになります。
ただでさえ、子育てはストレスとイライラを抱えます。
境界性人格障害の特徴である、些細なことで激しく怒りを爆発させる母親のもとで育つ子供に、悪影響がないはずがありません。
優しい時には溺愛しますが、気分が沈み込んでいる時には子供の世話どころか、暴言、虐待、育児放棄になってしまいます。
常にコロコロ表情や感情が変わる母親に、不安や恐怖を感じて子供は身動き取れなくなってしまいます。
罵倒される子供は悪いことをしたから叱られていると考えて、良い子でいるのに自尊心は傷つき、母親の顔色を見ながら生活するようになります。
問題のある母親の親もまた問題がある
母親の激しい感情の変化を身近に見ている子供は、親のおかしさにいつか気付き始めます。
しかし、気付くまでに親から受けた不安や恐怖心、親に対する罪悪感は残ったままになります。
情緒不安定な母親は、子供への共感性が乏しく、愛着に問題を抱えているので、偏った子育てをします。
子供の感情の問題や与える影響を考えることは出来ず、自分の行動を正当化していきます。
そのことによって、子供は自分に責任転嫁されたことを感じとり「見捨てられ不安」を抱えるようになります。
境界性人格障害の母親もまた、問題のある母親に育てられている可能性があるのです。
遺伝要因で境界性人格障害になる可能性は4〜5割。
境界性人格障害の治療をしながら子供を育てることは、現実にはとても大変で症状の悪化を招き、周囲の協力無しで子育てすることには、問題が大きすぎると言えるでしょう。
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