境界性人格障害と虐待との関係
境界性人格障害の発症要因で、多くの人が虐待を受けたことがあると答えています。
保護すべき親から受ける精神的、身体的虐待は、乳幼児期の自分の存在を根底から否定され続けた事で、強烈な見捨てられ経験となって深く傷つきます。
日常的なネグレストや虐待の生活で、健全な自己形成が出来るはずもありません。
精神的バランスを崩して発育に様々な影響が出てくるのは、至極当たり前のことでしょう。
境界性人格障害と虐待の影響
境界性人格障害の発症原因は、遺伝よりも環境要因が大きいと言われます。
環境要因が原因の場合、乳幼児の時に親に愛され保護されるべき対象である子供が、その親から受ける虐待(ネグレスト(育児放棄)、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待など)によって、子供が本来安らぐべき親の懐に抱かれず、安心感、愛情、存在価値を感じず根底から打つ砕かれて心のキズを受けます。
特に性的虐待は身近な親や親族によって、女児が被害を受けることが多く、何年も続けられることもあって、子供としての感情を持つことなく心を壊されます。
身近な人から受ける虐待は、子供の尊厳を破壊し、疎んじられ、学校でも虐められる事が多く、同世代の友人も作れない事から、自分の存在価値、生きる意味を感じられなくなります。
境界性人格障害は心のキズにトラウマが上塗りされるから?
大きな心のキズも一度きりならば、境界性人格障害を発症することはありません。
発症する人の多くは、長期にわたって虐待が繰り返されたり、身体的精神的暴力によって傷つき、性的虐待によって子供らしさを失った時間の長さの分だけ、影響は大きくなります。
幼少期に親が離婚し子供を一人残して母親が出て行ったり、親の自殺によって取り残された経験は、大きなトラウマとなって心に残ります。
幼少期の心のキズは、奥底に爆弾をしまいこんだ状態になっています。
そこに新しいトラウマや恐怖体験、暴力などが加わることで、爆弾を押し込んだ心はバランスを崩して境界性人格障害を発症させます。
幼少期の記憶のない頃に受けた心のキズは、不安定な愛着を抱えて成長しますが、きっかけになるトラウマ体験によって、心のキズが再現されるのです。
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