境界性人格障害と遺伝は関係しているのか
境界性人格障害の原因を探るうえで、最も話題にあげられるのが血縁、親族に同じ人格障害があるかどうか「遺伝的要因」が原因ではないかということです。
親から受け継いだ遺伝子、又はその兄弟や祖父母などの血縁で血の濃い人の中に精神病や神経症などの罹患者や現在発症している人がいないかなど、家族に対する研究は多くの場で行われています。
境界性人格障害の発症原因は「遺伝要因」は半分以下!
人格障害だけでなく、精神病の原因を探る時に必ず言われることが「遺伝的要因」です。
遺伝的要因の他に、生まれた後の成長過程での「環境要因」が原因としてあげられます。
双生児研究から遺伝性の関与が考えられるのは、4〜5割という数字が出ています。
しかし、双子研究では数値が高めに見積もられるので、実際にはもっと低いと考えられます。
ということは、半分以上が環境要因になるということです。
一卵性双生児の場合でも、一人は発症して一人はそうならない方が多い結果が出ているということは、育った環境次第だと言えます。
別々の親から引き継いだ遺伝子は、別々に育てられた環境によって影響が大きくなることが分かります。
境界性人格障害の遺伝性はないのか?
境界性人格障害を発症する原因は、遺伝要因(4〜5割)と環境要因(5〜6割)からなると考えられます。
遺伝子は親から子へ、子から孫へと受け継がれ延々と何十年という間それ程大きく変化するものではありません。
変化の小さい遺伝子要因と、環境要因になる社会の変化や親の子育て、養育の考え方、家庭環境は大きく変化しています。
環境の変化は、子どもだけでなくその親子関係にまで大きく影響して、親も大きな精神的ダメージを受けることもあります。
親が子供に十分な愛情を注ぐことが出来たかは、親が愛情を子供に与えることで成長出来たかにも関わってきます。
境界性人格障害の遺伝性は全くないのではなく、遺伝性よりも親からどんな風に育てられたかの影響の方が大きいということなのです。
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