境界性人格障害の大きな特徴として「見捨てられ不安」があります。
人との繋がりに偏った考えを持っていて、自己中心的な判断しか出来ないので、些細なすれ違いやタイミングのズレだけで、見捨てられるのではないかと不安になり、自分につなぎ止める為の行動に出てしまいます。
恋愛関係にある場合は顕著にその症状が出てきます。
彼氏の都合を考えずに何度も電話をする、メールを送り続ける、自傷行為や自殺企画などで彼氏をがんじがらめにしていきます。
子供が母親を追うのに似ている
小さな子供は母親が自分の視界から消えると、寂しさと守ってくれる人が居なくなって、置き去りにされるのではないかと大声で泣きわめきます。
母親は、子供に「洗濯してくるだけだから、おもちゃで遊んで待っていて」と言えば、子供は泣き止んで一人遊びを始めます。
母親が戻ってくることが分かると安心して、だんだん自分で判断し行動出来るようになります。
「お母さんはお洗濯で忙しい」と母親の立場が、子供なりに理解出来てくるのです。
戻ってきたお母さんは、「良い子で待っていたね。」と褒めてくれます。
この時のお母さんの抱きしめは、待っていたことへのご褒美でもあり、大きな安心感を子供に与えます。
境界性人格障害の「見捨てられ不安」の原因は、幼少期にお母さんが視界から消えた不安に泣いても、何の反応も見せずに何時間も帰らず、そのまま置き去りにされたことで植え付けられた不安と恐怖から来ています。
幼少期の母に置き去りにされた思いを繰り返したくない、「置いていかないで」「一人にしないで」という、感情がぶり返して起こるのです。
この時に必死に縋りつくのは、幼い頃に縋りつけなかった不安と恐怖を繰り返さない為の行動です。
見捨てられない為なら何でもする、受け入れないのは敵!
家族やパートナーとの一体感は、自己の存在を意識し共感できる唯一の手段で、見捨てられるのではないかと思った時の不安は耐え難いものになります。
どんな手段を使っても、自分から目を放させない為に自傷行為や「自殺してやる」という脅しでつなぎ止めようとします。
境界性人格障害の彼女は彼氏を自分の感情に巻きこむことで、かえって遠ざけてしまう結果になることが分かりません。
自分の行動が引き起こした破綻であっても、自分を受け入れなかった彼氏は、大好きな存在から攻撃する対象に変わり、暴言、暴力、いやがらせ、衝動的犯罪に至ることも有ります。
彼女の見捨てられ不安や自傷行為などの症状が見られるようになったら、抱え込まずに第三者に相談する、冷静な時に出来る事と出来ない事の範囲を理解させるなどの対応が必要です。
それでも、反撃に出た場合には、何より自分(彼氏)の身を守りましょう。
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