境界性人格障害と生活保護
「境界性人格障害」の人は、家庭環境、職場環境、人間関係などの変化に順応できず、些細なことで激しい怒りや反社会的行動で、トラブルを引き起こします。
人間関係の破たんは、家族、社会、職場の破たんに繋がり、「見捨てられたくない」のに一人になってしまうことも多いのです。
経済的困窮の原因
「境界性人格障害」は遺伝的要因と幼少期の母子関係に問題があると指摘されていますが、その時期から症状を指摘されることは少なく、ある程度成長してから「おかしいのでは」と気付くようになります。
患者の多くは20〜30代の女性で、就職して仕事にも慣れ社会人としての自覚も出る頃でしょう。
多少の人間関係のトラブルは誰でも経験しますが、「境界性人格障害」の人は、突然怒りだしたり、物を投げたり、喚き散らして周り混乱させます。
仕事に支障をきたすと会社も対応を迫られ、精神障害者に対するサポート体制にあれば理解されますが、混乱を招き職場内で自傷などに及べば、解雇処分の対象になるでしょう。
パートや短時間勤務に転職しても、収入は減少し家族などからの経済的支援なしでは、生活ばかりか治療も出来なくなります。
元々家族との不仲が原因で、一人暮らししている場合は、ますます困窮していきます。
「生活保護」と「障害者年金」
障害者年金の受給は申請自体が難しいと言われます。
「境界性人格障害」には詐病が多く、認定審査が大変厳しいので、人格障害だけではほぼ認定されません。
他の精神疾患を伴っている場合は受給認定を受ける事もありますが、詳しいことは医者や自治体の福祉課や年金課に相談しましょう。
「障害年金」と「生活保護」は別ものです。
「生活保護」は、病気や怪我、高齢によって働けなくなったり、働き手を失い生活費や医療費に困った時に、国が最低限の生活を保障し、1日でも早く自分の力で生活できるように支援する制度です。
「生活保護」の受給申請に、障害者手帳の有無、障害年金の有無は関係ありません。
しかし、障害年金を受給している人は、生活保護を受ける事が出来ても、障害年金の受給金額分は生活保護が減額されます。
また、家族が居ると生活保護は受けられないとの話もありますが、自治体によって異なる見解がありますから、まずは実際の状況を話してどうしたら良いのか相談することをお勧めします。
病気の現況が家族にある場合は、実家を離れて一人暮らしして、生活保護と自立支援を受けながら、治療していくことが望ましいのではないでしょうか。
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