自己同一性障害の診断
「自己同一性障害」は病気では無く「自我同一性拡散」という状態であるとの意見が多数を占めています。
これが自分であるとの実感が持てない、他者から見る自分が本当の自分として確立していない状態なのです。
「自己同一性障害」の発生
自分が何者であるのか、何をしたいのか、どんな風になりたいのかわからない、自分の事が自分でわからなくても生きていけます。
大学生でも社会人になっても、確固たる自分の意志がなくても人に合わせてうまく生活することは出来ます。
では、「自己同一性障害」であると診断する必要はあるのでしょうか?
子供の時から、親や周りの要求通りの人間でいる事が良いことだと思って成長してくると、親に反抗するとか、相手に反対意見を言うことが出来なくなります。
気がつかないと言った方が良いかもしれません。
幼い時はそれで良かったのですが、社会人になると自分の意志で行動しなければならなくなります。
人に指示されれば何でも出来ますが、自分で選択しなければいけない場合、自分がどうしたいのか何をすればいいのか、好きなのか嫌いなのかわからずに、やっと何かがおかしいと気付くのです。
自分が自分ではないような、わからない自分に出会って悩み苦しみ葛藤するようになります。
思春期に経験すべき葛藤を、大人になってから悩み苦しみ「自我同一性拡散」の危機に陥ります。
「自己同一性障害」の診断
30、40代でも確固たる自己の確立が認められない人もいます。
その時までにおかしいと自分でも気付かずに、周りに合わせてこれた人です。
これだけでは、病気とは言えません。
- 本当の自分が何者かわからず、心の中に空虚感がある
- 相手によって自分が変わる(異なる自分になっている)
- 行動や考えを他者に頼る(自分でどうしていいかわからない)
- 一人でいると何をしていいかわからないので、混乱する
自己の欠如と空虚感から、孤独感に苛まれ回避しようとして衝動的な行動にでたり、混乱して不安障害やパニック障害、神経症、うつ病などを発症することもあります。
自分が自分でわからないと不安になります。
この段階で、心療内科、精神科で問診、診断する必要があるでしょう。
世の中に悩みを抱える人はたくさんいますから、ただ悩んでいるだけでは病気とは言えませんが、そのままにして自己の確立が出来ないと症状は繰り返されることになります。
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