境界性人格障害の生徒への対応

境界性人格障害の生徒への対応

境界性人格障害の生徒への対応

境界性人格障害は思春期頃に発症することが多いと言われますが、それ以前にも精神的な不安定さを抱えているものです。

 

気分の浮き沈みが激しい子供に、親が無関心を示していると、子供の心には拠り所がなくなってしまいます。

 

学校内でリストカットをしてしまう生徒

中学生ぐらいになると、異性への興味も示すようになり、自分の容姿や性格、学校の事、成績や友人、家族との関係など、イライラや悩みを出せずに、無関心を装う親や家族に怒りを感じるようになります。

 

生徒の悩みに気付くのは、担任教師よりも部活動の顧問教師であることが良くあります。

 

担任教師はクラス全員を平等に扱わなければいけない事から、一人の生徒に目が行くことは目立った行動がない限り無理なこともあります。

 

部活顧問は部員全員の体調などの変化が部の成績につながることから、全員の様子を良く見ていて、生徒の変調に気付くと顧問室に呼んで話をすることがあります。

 

生徒の悩みを親身になって聞くと、生徒は顧問なら「自分の見方になってくれる」と考え、度々顧問室を訪ねて悩みを聞いて欲しいと言ってくるようになります。

 

再三の訪問と要求が強くなることに危惧した顧問が、「長居するのはよくない。早く帰った方が良い」と帰宅を促したとたん、生徒の態度はがらりと変わり顧問を激しく非難して怒りを向けてきます。

 

翌日、トイレでやったというリストカットのキズを見て、顧問は驚きを隠せません。

 

直ぐさま担任と養護教諭に連絡を取り、手当をしながら養護教諭が話を聞くと、「顧問から見捨てられると思い、絶望してしまいリストカットした」というのです。

 

生徒の了承を得て、両親に連絡を取ると自宅でもリストカットしたり、頭痛薬などを大量に飲んだりすることが分かり、極端な行動を取ることがあると考えられるので、校医にも相談したうえで学校内での対策が取られることになります。

 

境界性人格障害の生徒への家族の見守りと学校内での連携体勢

境界性人格障害の可能性が強いと考えられる生徒を、自分が障害だと理解できないまま治療の為に無理に病院に連れていくと、症状の悪化につながる可能性があります。

  1. 学校内での体調に気配りして、保健室で休ませたり話を聞く体制作りが必要になってきます。
  2. 他の生徒がリストカットや過激発言や変貌に動揺せず、冷静な対応が出来るように指導をします。
  3. 校内でリストカットした場合には、叱るのではなくキズの手当をして保健室で休ませます。
  4. 悩みや相談を受けた教師は、深入りせずに一定の距離を保ちます。
  5. 両親との連絡も取りあって、家庭でも学校と同じような考え方で見守っていくようにします。

担任教師、部活顧問、学年主任、養護教師、校医(精神科医)などで対応委員会を持ち、専門医の助言を受けながら、自傷行為と精神的な不安定さを最小限にするよう取り組む必要があります。

 

また、この学校内の対応には、両親をはじめとする家族の協力無しでは出来ませんから、両親も自分の子供を助けることに、真剣に取り組まなけれなければなりません。

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