境界性人格障害と親子関係

境界性人格障害と親子関係

境界性人格障害と親子関係

子供は母親のお腹の中にいる時から、母親の精神状態や感情の影響を受けています。

 

生まれてからは、親の愛情なしに生きることは出来ません。

 

お乳をもらい排泄の世話をしてもらって、泣くしか出来ない乳児が言葉を覚え、歩き始めた時に親は子の成長を喜び、子は親から受ける愛情を体いっぱいに感じて大きくなっていくのです。

 

幼少期に子供が親から無償の愛を受けて育てられるか、厄介な生き物のように扱われ、親の言いなりになることを強いられて、不安や恐怖を感じながらビクビクして過ごしたかで、その後の人生に大きな精神的影響を残します。

 

その一つが境界性人格障害なのです。

 

子供は親の所有物?

幼児虐待、ネグレスト、親による子への暴力、暴言などの行為は後を絶ちません。

 

「しつけ」という名の虐待は、子供の自尊心や心身を傷つけ、愛情を注いでほしい親に受ける暴力は、子供の自己否定(自分が悪い子だから殴られるんだ)を促し、身体のキズを隠すように心の奥底にその痛みや恐ろしさを隠してしまいます。

 

親は子供を愛していない訳ではなく、親の思い通りに愛するモノとして子供を位置づけしていると考えられます。

 

気分の良い時には可愛がり、癪に触ると怒りを子供に向ける、そんな親自身に精神的自立が未熟ではないかと考えさせられます。

 

心身に痛みをもっていても、子供にとって親は唯一の縋れる相手であり、無償の愛情を与える存在だと思い続けます。

 

しかし、離婚や養育環境の変化で親から引き離されると「ママを大好きでも捨てられる」「自分はいらない子」という「見捨てられた」思いはいつまでも深く刻まれます。

 

幼少期の親子関係が人間関係の未熟を作る

愛情が欲しい時に受けられなかった子供は、常に愛情に飢えた心を抱えています。

 

見捨てられる不安や恐怖を持っていますが、自覚するまでには時間がかかります。

 

成長に伴って経験する周りの人への愛着や執着が極めて強くなるか、希薄になって無関心になってしまうかの双方に別れます。

 

好意を持った人には執着して、自分を好きになってくれるようにしますが、見捨てられ経験から依存性が強くなります。

 

また、逆にいくら良い子でいても捨てられるんだから人を信用してはいけないと他の人に無関心を装いますが、本心は寂しさと不安でいっぱいの状態でいます。

 

幼少期の不安定な親子関係は、成長段階で一旦奥に仕舞いこんだ「見捨てられ不安」が周囲との人間関係の構築の段階で呼び戻されて、人によっては境界性人格障害の発症につながります。

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